10/17(金)舞踊室にて 『物怪東西掩蔵噺』四場の稽古。以前、外部の芝居に出た際に「役者達の集中は凄く、空気を操ろうとしている様に観える」なるコメントを頂いた事がある。確かに〈場〉の空気を作ったり、変質させたりするのは俳優の作業の一つだと感じる。仮に、その場の空気を観客から観て不穏なものにしたいなら、俳優の身体はどうあるべきか。まず、その場にいる俳優達の関係性から始めるべきだろう。関係性によって人の身体は如何様にも変わる。日常で私達は本能的にそれをやっている。形成された場の空気の中に、後から入って来る俳優は、言わば〈異物〉だ。異物は、一斉に視線を浴びて自らの異物性を肌が痛い程〈痛感〉する時もあれば、まるで無自覚に入って来て、暴力的に場の空気を一変させてしまう時もある。袖から出て来る時は、身体よりも空気が先行して出て行くべきだと、別役実さんもどこかで書いていた気がする。by ウスイ